fc2ブログ
Archive | 2010年03月

養児防老

03/17
介護と生活の選択-
中国では子供が老いた親の面倒をみるという伝統が大切にされてきた。
老人を守る子供を育てる、それが人の生きる命題の一つなのだろうか。

鈴木家でまた一つ花が散った。
根気よいという言葉が彼女の代名詞だった。
随分離れた末っ子であったため、祖父と祖母がいつも遊び相手。
お風呂も日替わり。
祖父は熱湯好き。
祖母はぬるま湯好き。
お湯の温度が違えど、温かかった。
幼少の頃の思い出が鮮明なのは彼らが面倒を見てくれたからでもあるが、
年を重ねた自分の生活が外へ広がるのと同時に、彼らとの会話が優先されてこなかったからなのかもしれない。
悲しい事に実感がなかなか湧いてこない。
この1年程は施設暮らし。
毎日が仕事優先。
仕事のための毎日。
その中で薄らぐ家族の絆。
扶養を他人に任せ、自分の今で精一杯だった自分が残念に思える。
してもらった事が返せなかったように思える。
おそらく、彼らの理想の孫にはなれなかったのだろう。

葬儀は偶然にもお彼岸。
まるで祖父が迎えにきたように。
壮絶な最後だっただけに、これからは祖父とゆっくりしてもらいたい。
彼女を送り出すかのように咲いたミヤコワスレを棺の中へ添えて見送った。
家業を継ぐことが自分ができる孝行と思って全ての時間を費やしてきた自分の生き方が正しかったのか。
孫の中で最も可愛がってもらったにも関わらず、彼らの世話はほとんどしてあげられず…
答えが曇ってしまった。
スポンサーサイト



プロフィール

鈴木 啓文

Author:鈴木 啓文
鈴木園芸の植物に対する想いを綴ったblogです。
花の生長日記なども公開して行く予定です!

リンク
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
フリーエリア
検索フォーム
RSSリンクの表示
QRコード
QRコード